クリスマスとサンタ
辻家には毎年腰痛が4日続く程のどでかいツリーを飾る習慣がある
4時間もかけてデコレーションするなんて贔屓目で見ても馬鹿げているけれど、私の記憶がある限り22年間ツリーを飾らなかった年はないので毎年仕方なくツリーを出す。
辻家には破天荒な人物が多く、伝書鳩を100羽飼っていた祖父、カラーテレビが出たその日に購入して街の人を家に招き入れた曽祖父、動物と害虫と暮らしていた父、そして辻にそっくりな母親がいる。
母親が結婚する際いくつか父に条件を出したと、この前耳にした。
一つは家族との旅行を大事にする事。
もう一つはクリスマスを盛大に祝う事。
結婚一年目、私が1歳の頃父が母親にあげた初めてのクリスマスプレゼントは天井にお星様が付くような、どでかいクリスマスツリーだったそう。
毎年サンタさんと両親にクリスマスプレゼントをお願いして、ケチな辻は高いものをサンタさんに、安いものを両親にリクエストしていた。
クリスマスイブの夜には拙い字でお願いものをリクエストして、クッキーと牛乳を置き、ベランダのドアを3センチだけ開けた。
煙突がないのにサンタさんが来るか心配していた時は、お月様が絶対に江梨奈を見つけてくれるのはサンタさんが月に住んでるからと説明もしてくれた。
手紙の返事には決まって英語で
Merry Christmas Erina!
Have a good year!!と筆記体で
クッキーはわざと食べたようにかじった跡を残して。
ミルクは2センチだけ残して夢を壊さず素敵なイベントにしてくれた。
母親はクリスマスを幼いころ経験したことがなく、クリスマスを盛大に祝う事を大事にしていたらしい。
もう一つ辻家には大事なお話
イブの夜に母はサンタクロースの由来の話を決まってしてくれた。
ある貧しい子どもが生誕祭に靴下を置いていたら金貨が入っていたのよ。
と
当時から馬鹿でメルヘンな私は、へーそんなお話もあるのかと毎年考えていた。
母親は由来の話を長年すればさすがにサンタさんがいない事を察するだろうと企んでいたらしい。
22にもなってディズニーとお花をこよなく愛する脳内メルヘン辻が10歳でそんな事理解できるわけない。
とうとう痺れを切らした母親は小学5年のクリスマス当日、枕元ではなく、サンタさんからのプレゼントを手渡しでくれた。
ボケーっとはてなマークたっぷりに見てると、サンタさんは存在しないのよと一言
今まで毎年当たり前のように存在していると思っていた物が嘘だったという現実を受け止めれなくて、辻はクリスマス当日一日中泣いて過ごし、仲のいい友達にサンタさんはおらんかった、、と泣きながら終了式に話していたのを覚えている。
今でもクリスマスイブになると家族と大切な人、亡くなった愛犬へのプレゼントをほぼ赤字になりながらツリーの下に沢山置く。
と、これらが腰痛を4日間してでもクリスマスツリーを1人で飾る理由。
私が幼少期に経験した素晴らしいクリスマスのお裾分けをするために。
皆さん良いクリスマスを
エ?辻の予定?仕事と通院と家族へのサンタになる予定ですが何か?